HAS Magazine
HAS Magazine
HAS Magazine
search

Membership

HAS Magazineは、メンバーシップにご登録頂いた皆様へお届けする様々な物語をご準備しています。ご利用スタイルに応じて、お選び頂ける各種プランがございます。
旅に出るように、まだ見ぬ美しい物語との出会いをお楽しみ下さい。

2021.5.7

遥か古の祈りを繋ぐ
奈良・春日大社 Kasuga Taisha Shrine

時を越え、受け継がれて来た祈り

奈良を訪れる人を豊かな自然で出迎える、奈良公園。
その公園を奥に進んでゆくと、美しい木々が立ち並ぶ、ある参道に行き着く。
早朝には、その木々の間から美しい木漏れ日が差し込み、清冽な空気が辺りを静かに包み込む。

この参道の先には、古の時代から深い祈りを重ねられて来た、ある神社がある。
その神社の名は、春日大社。
遡ること約1200年ほど前。平城京の遷都に際し、この地を守る神を祀るため、春日大社は創建された。

その神が宿る地として考えられていたのが、奈良の都の東に位置し、春日大社の奥に、今も静かに佇む「御蓋山(春日山)」であった。
平城京に遷都をしたばかりの頃は、「御蓋山」それ自体を神として祀っていたという。

この地の信仰の起源は、常陸(茨城県)の鹿島から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を祭神として迎えたことにあると伝えられている。
そして、その時に神様が乗っていたのが、白い鹿であったと言われている。
そうした言い伝えから、春日大社は「鹿」を神の使いとして、大切に守るようになったという。

春日大社では、20年に一度、御社殿を造り替える「式年造替」を創建の時から途切れることなく続けて来た。
その回数は、これまでに60回を数え、60回を越えるのは「伊勢神宮」と「春日大社」のみ。
そうした連綿と重ねられて来た、人々の祈りと営みが古の記憶を決して途絶えさせることなく、今に伝えている。

今もなお悠久の時を刻み続けている、春日大社。
この地には、幾星霜の時の流れの中で受け継がれて来た、数多の人々の祈りが途切れることなく、静かに流れ続けている。

Category :
  • text / photo :
    HAS
    HASは、多様な美しい物語を通して「物語のある暮らしを提案する」ライフストーリーブランド。ライフストーリーマガジン「HAS Magazine」のプロデュース、デザインスタジオ「HAS Couture」の運営を行う。

Other Article