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HAS Magazineは、メンバーシップにご登録頂いた皆様へお届けする様々な物語をご準備しています。ご利用スタイルに応じて、お選び頂ける各種プランがございます。
旅に出るように、まだ見ぬ美しい物語との出会いをお楽しみ下さい。

星降る夜空に In the starry night sky
HAS Magazineでは、読者の皆様に継続して美しい物語を届けるために、持続可能な独立したメディアの運営を指針とし、広告収益ではなく、メンバーシップを軸とした運営を行なっています。

私たちが目指しているのは、小さな星々の瞬きを紡ぐように、雑誌というメディアを育んでゆくこと。
こだわりの一杯の珈琲を届けるように、自らの感覚を大切に深めながら、ひとつひとつの物語を丁寧に紡ぎ、皆様のもとへと届けてゆく。

そして、それぞれの物語が読者の心を灯し、お読み頂く方々が一人、また一人と少しずつ増えてゆく。
それはまるで澄み切った夜空に、星々がひとつずつ瞬いてゆくように。

そうして散りばめられた星々の光を集め、また新たな光を物語に宿し、皆様のもとへと届けてゆく。
そんな風景が広がってゆくことを、私たちは想い描いています。

この取り組みは、とても時間のかかる方法かもしれません。
しかしだからこそ、読者の皆様と共に歩みながら、様々な想いを物語に重ねてゆくことが出来ると考えています。
そして、その歩みこそが多くの人々の心に響く物語を生む力になると。

私たちが目指すメディアの在り方は、以下のブランドブックにてお読み頂けます。
是非そちらも併せてご覧頂けますと幸いです。

この風景を描く旅は、きっと長い旅路になります。
読者の皆様とこの旅を共に出来ることを願っています。
無数に広がる物語が描く、星降る夜空に出会う旅へ。
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2023.5.10

[ 神社 ]
滋賀・白髭神社
Ancient Memories

古の物語を描いた神社

    

創建から約2000年の歴史を持つと伝えられる、近江最古の神社・白髭神社。
琵琶湖に浮かぶ鳥居が訪れる人に深い印象を残す、古社である。
古くから延命長寿・白鬚の神として広く知られ、縁結び・商売繁盛など、あらゆるものごとの導きの神として信仰を集めて来た。

日本全国に約300あると言われる白鬚神社の総本宮とされる神社として知られる。
御祭神として祀られるのは、「猿田彦命(さるたひこのみこと)」。
「猿田彦命」は、天上界から神が地上に降り立ったと伝えられる「天孫降臨」の際に、先頭に立って道案内をされた神として伝えられている。
そうした背景から、導きの神として信仰を集めることになった。

そして、「白髭神社」で祀られている「猿田彦命」は、白髪で白い鬚を蓄えた老人の姿をしていたという。
その神の姿にちなみ「白髭」という名前が付けられた。

古の鳥居の記憶

琵琶湖に浮かぶ鳥居の歴史は、1937年に始まる。
白髭神社には、遥か古の時代より湖の中に鳥居があったという伝説が残されていた。
室町時代に描かれた屏風絵「近江名所図」や、江戸時代に描かれた絵巻にも湖の中の鳥居が描かれている。
だが、そうした様々な伝承はあるものの、実際に鳥居が存在したという確かな証拠は残されていない。

また古くから湖が波打つ時に、鳥居が見え隠れしていたという言い伝えや天変地異の前兆として、突如鳥居が現れたとも伝えられる伝説も残されていた。

そして、それらの伝説を知った大阪の薬問屋・小西久兵衛による寄進によって、1937年に古の記憶が実物として形となり、湖中の大鳥居の記憶が紡がれてゆくことになる。

残された一片の詩

湖面に鳥居が浮かぶ神秘的な風景は、広島の厳島神社になぞらえられ、近江の厳島とも呼ばれる。
その美しさから「白鬚神社」は、古くから屈指の名勝地として知られていた。
そのため数多くの文化人がこの地を訪れて、その風景の美しさを讃えて数々の詩や句を残した。

その中には、源氏物語の作者でもある紫式部の歌や近江の地を愛した俳人・松尾芭蕉の歌も残されている。
そして、歌人・与謝野晶子も夫の鉄幹と共にこの地を訪れたという。
彼女は、明治から昭和にかけて自由に生きる女性を象徴する幾つもの歌を残した、日本を代表する女性歌人。
その時に、夫婦は共作で、ある一片の詩を残している。

「しらひげの神の御前に わくいづみ これをむすべば ひとの清まる」

上の句は鉄幹、下の句は晶子によって詠まれた。
この歌は、神社に湧き出る水の清らかさを讃えたもの。
この歌が伝えるように、「白鬚神社」は、今も変わらず清らかな水の恵みに包まれながら、悠久の時を刻み続けているのだ。

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    HAS Magazineは、旅と出会いを重ねながら、それぞれの光に出会う、ライフストーリーマガジン。 世界中の美しい物語を届けてゆくことで、一人一人の旅路を灯してゆくことを目指し、始まりました。

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