さざなみの記憶と
滋賀の祈り
滋賀の祈り
of Shiga
of Shiga

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静かに打ち寄せては、消えてゆく波の音。
夕暮れには、穏やかな湖面がゆっくりと夕日に染まり、
その美しさを讃えるかのように、
鳥たちが羽ばたきながら彼方へと消えてゆく。
ここ滋賀の地は、一面に広がる湖と周囲を取り囲む美しい山々によって、古の時代から数々の物語が紡がれて来た。
そんなこの地に息づく様々な物語に耳を澄ましてゆくと、
ある途方もない祈りの言葉に辿り着いた。
それは、無数の人々の想いと悠久の自然によって、時を越え紡がれて来た、決して古びることのない祈り。
そして、その祈りの中には、私たちが失いつつある大切な記憶が流れていた。
そんな祈りの言葉を紐解きながら、この地に宿る物語を紡いでゆきたい。
- text / photo HAS
滋賀県
一面に広がる湖・琵琶湖と周囲を取り囲む山々によって、詩情豊かな美しい風景が紡がれる土地・滋賀。
その歴史は古く、遡ること約1万年前には、この地で暮らす人々の足跡が残されている。
かつては「近江国(おうみこく)」として呼ばれ、その呼称の起源は、奈良時代(710-740)に遡る。
奈良の都に近い淡水の湖として、当時の琵琶湖の呼称として用いられていた「近つ淡海(ちかつあわうみ)」が転じて、「近江国(おうみこく)」として呼ばれていた。
その後、江戸から明治への時代の移り変わりの中で、廃藩置県、廃仏毀釈などの様々な行政制度の改革に伴い、大津県を経て、明治9年(1876年)に、現在の呼称である滋賀県と定められる。
of Shiga
- text / photo HAS
Reference :
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「図説・滋賀県の歴史」
- 編集:
- 木村 至宏
- 出版:
- 河出書房新社
-
「琵琶湖 - その呼称の由来」
- 著者:
- 木村 至宏
- 出版:
- サンライズ出版
-
「京滋びわ湖山河物語」
- 著者:
- 沢 潔
- 出版:
- 文理閣
-
「近江古代史への招待」
- 著者:
- 松浦 俊和
- 出版:
- 京都新聞出版センター
-
「人類哲学序説」
- 著者:
- 梅原 猛
- 出版:
- 岩波新書
-
「最澄 - 京都・宗祖の旅」
- 著者:
- 百瀬 明治
- 出版:
- 淡交社
-
「鎌倉仏教」
- 著者:
- 平岡 聡
- 出版:
- 角川選書
-
「滋賀県の百年」
- 著者:
- 傳田 功
- 出版:
- 山川出版社
-
「老子」
- 翻訳:
- 小川 環樹
- 出版:
- 中央公論新社
-
「人間の土地」
- 著者:
- サン=テグジュペリ
- 翻訳:
- 堀口 大學
- 出版:
- 新潮文庫
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text / photo :HASは、多様な美しい物語を通して「物語のある暮らしを提案する」ライフストーリーブランド。ライフストーリーマガジン「HAS Magazine」のプロデュース、デザインスタジオ「HAS Couture」の運営を行う。