HAS Magazine
HAS Magazine
HAS Magazine
search
account

Membership

HAS Magazineは、メンバーシップにご登録頂いた皆様へお届けする様々な物語をご準備しています。ご利用スタイルに応じて、お選び頂ける各種プランがございます。
旅に出るように、まだ見ぬ美しい物語との出会いをお楽しみ下さい。

星降る夜空に In the starry night sky
HAS Magazineでは、読者の皆様に継続して美しい物語を届けるために、持続可能な独立したメディアの運営を指針とし、広告収益ではなく、メンバーシップを軸とした運営を行なっています。

私たちが目指しているのは、小さな星々の瞬きを紡ぐように、雑誌というメディアを育んでゆくこと。
こだわりの一杯の珈琲を届けるように、自らの感覚を大切に深めながら、ひとつひとつの物語を丁寧に紡ぎ、皆様のもとへと届けてゆく。

そして、それぞれの物語が読者の心を灯し、お読み頂く方々が一人、また一人と少しずつ増えてゆく。
それはまるで澄み切った夜空に、星々がひとつずつ瞬いてゆくように。

そうして散りばめられた星々の光を集め、また新たな光を物語に宿し、皆様のもとへと届けてゆく。
そんな風景が広がってゆくことを、私たちは想い描いています。

この取り組みは、とても時間のかかる方法かもしれません。
しかしだからこそ、読者の皆様と共に歩みながら、様々な想いを物語に重ねてゆくことが出来ると考えています。
そして、その歩みこそが多くの人々の心に響く物語を生む力になると。

私たちが目指すメディアの在り方は、以下のブランドブックにてお読み頂けます。
是非そちらも併せてご覧頂けますと幸いです。

この風景を描く旅は、きっと長い旅路になります。
読者の皆様とこの旅を共に出来ることを願っています。
無数に広がる物語が描く、星降る夜空に出会う旅へ。
Read Book
Brand Book
You can read about HAS Magazine's important values and goals in our brand book.
Back to Page
2021.5.7

[ 洋館 ]
京都府庁旧本館
Old Main Building

柔らかな陰影が流れる場所

    

京都御所のほど近く。
かつて茶の湯に用いる釜を鋳造していた、釜師が多く住んでいたことを由来とする釜座通りを北に抜けると、ひときわ目立つ大きな洋館「京都府庁旧本館」が建っている。

この建物は、今から遡ること100年以上も前。1904年(明治37年)に竣工。現役で実務が行われている観光庁舎としては日本最古の建築物として知られている。

西洋建築技術の粋

建築には、当時国内に蓄積された西洋建築技術の粋を結集し、設計されたという。
事実、当時この建築物について「現在の日本の庁舎の建築として、全国第一として誇るに足るべし」とも語られたほどであった。
そのため全国からの見学者が絶えなかったとも言われている。

設計に携わったのは、松室重光という建築家であった。
その評価非常に高くは、当時の建築界の巨人の一人であった、伊東忠太(1867~1954)と並び称されるほどの評価であった。
伊藤は、「平安神宮」、「築地本願寺」などの代表作で知られる建築家である。

西洋と東洋の美の融合

西洋の建築技術を結集し、作り上げられた京都府庁舎。
そんな建築物と対をなすように、庭園は、明治・大正期の最高の庭師とも称された庭師・小川治兵衛(1860 ~ 1933)が手掛けた。

彼は、水の流れを生かした自然な景観作りを得意とし、水と石の魔術師とも謳われた庭師。
彼の手によって、庁舎の中庭には、東洋的な美しさが表現された美しい庭園が描き出されたのである。

まさにこの場所は、当時の日本における西洋建築技術の粋と日本一の庭師によって生まれた、西洋と東洋の美意識が融合した場所であった。
この場所で時の流れに耳を澄ますと、そんな様々な才能が歩んだ、それぞれの物語に出会うことが出来るのだ。

Reference :

  • 「松室重光と古社寺保存(日本建築学会計画系論文集 第613号)」
    著者:
    清水重敦
    出版:
    日本建築学会
  • 「桜のいのち庭のこころ」
    著者:
    佐野藤右衛門
    聞き書き:
    塩野米松
    出版:
    ちくま文庫
Category :
  • text/photo :
    HAS Magazine
    HAS Magazineは、旅と出会いを重ねながら、それぞれの光に出会う、ライフストーリーマガジン。 世界中の美しい物語を届けてゆくことで、一人一人の旅路を灯してゆくことを目指し、始まりました。

Other Article