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2021.5.7

光と影が織り成す京都府庁
旧本館 Old Main Building

光と影、そして穏やかな時を紡ぐ場所

京都御所のほど近く。
かつて茶の湯に用いる釜を鋳造していた釜師が多く住んでいたことを由来とする釜座通りを北に抜けると、その突き当たりに、ひときわ目立つ大きな洋館が建っている。

この洋館の名前は、「京都府庁旧本館」。
現役で実務が行われている観光庁舎としては日本最古の建築物。
当時国内に蓄積された西洋建築技術の粋を結集し、設計され、作庭は、明治・大正期の最高の庭師とも言われた小川治兵衛(1860 ~ 1933)が手掛けた。

まさにこの場所は、当時の日本における、西洋建築技術の粋と当代随一の庭師の共演による「西洋と東洋の美意識が融合した稀有な場所」であった。

しかし、長い時の流れを経て、この場所にかつてあった、時代を象徴し、新しさを誇った威風堂々とした佇まいは、今はもう感じることは出来ない。

今ここに残されているのは、古びた建物の陰影ある表情とその佇まいを穏やかに包み込む、柔らかな光と静かな時間。

そして、そんな時間と重なり合うように、時を越え、今も静かに流れ続ける人々の物語が穏やかな時を刻み続けていた。

Reference :

  • 「松室重光と古社寺保存(日本建築学会計画系論文集 第613号)」
    著者:
    清水重敦
    出版:
    日本建築学会
  • 「桜のいのち庭のこころ
」
    著者:
    佐野藤右衛門
    聞き書き:
    塩野米松
    出版:
    ちくま文庫
Category :
  • text/photo :
    HAS
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