光を描いた日本画家
菱田春草の物語
菱田春草の物語
Story
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遡ること約120年前。
幾多の動乱を経て、江戸から明治へと時代が移り変わってゆく中で、日本は、近代化を目指し、西欧の文化を積極的に吸収しながら、あらゆるものが大きく変革し始めていた。
そんな時代に呼応するように、伝統的な日本画の世界でも、新たな変革の旗手となる一人の青年が現れた。
その青年の名は、菱田春草。
後に近代日本画の革命児とも称される彼は、それまでの伝統を打ち破り、新たな日本画の表現を打ち立てた。
しかし、新しさゆえに数多くの批判を受け、36年の短い生涯の多くを不遇の中で過ごした。
春草が描いた、美しい色彩と繊細な光に彩られた様々な作品。
そんな作品の背景には、不遇の中で自らの意思を貫き、ひたむきに自身の表現を深め続けた、一人の画家の物語が流れていた。
彼が描いた様々な作品を辿りながら、その人生の物語を辿ってゆきたい。
- text HAS
菱田春草
1874 年、長野県飯田市生まれの日本画家。
東京美術学校にて絵を学び、卒業後、盟友・横山大観と共に新しい日本画の表現を模索。無線描法という新たな表現を生み出すものの、新しさゆえに世間から大きな批判を受け、長い不遇の時期を過ごす。その後、国外での評価を経て、日本国内においても高い評価を得るが、その矢先で病に倒れ帰らぬ人となる。
享年1911年9月16日。36年の生涯であった。後にその功績を讃えられ、近代日本画の革命児とも称される夭折の天才画家である。
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Reference :
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「菱田春草」
- 著者:
- 近藤 啓太郎
- 出版:
- 講談社
-
「不熟の天才画家」
- 監修:
- 鶴見香織
- 出版:
- 平凡社
-
「菱田春草 生涯と作品」
- 著者:
- 鶴見香織
- 監修:
- 尾崎正明
- 出版:
- 東京美術
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text :HASは、多様な美しい物語を通して「物語のある暮らしを提案する」ライフストーリーブランド。ライフストーリーマガジン「HAS Magazine」のプロデュース、デザインスタジオ「HAS Couture」の運営を行う。