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光と影が織り成す、現役最古の官公庁舎「京都府庁旧本館」

100年以上もの時間を積み重ねた歴史ある洋館

「京都府庁旧本館」は、京都出身の建築家 当時26歳の若さであった松室重光の手によって設計され、今から遡ること100年以上も前の1904年(明治37年)に竣工したという、その内に長い時間をたずさえている洋館だ。 平成という時代が終わりを告げ、新たな元号である令和という名前が発表された今、明治、大正、昭和、平成という四つの時代の移り変わりと共に歩んで来たことになる。

建物の内部には中庭があり、春には桜を見物に多くの人が集まる。

時代の面影を感じさせる建築様式は、多くの人を惹きつけ、撮影の現場でも使われることも多い。

建設当時、国内に蓄積された西洋建築技術の粋を結集し、設計され「現今府県庁の建築としては、東京、京都、兵庫の二府一県なるが、吾輩が観る処によれば新式なるだけの点に於いて京都は遙かに東京、兵庫を凌駕し、全国第一として誇るに足るべし」とも言われ、全国から見学者が絶えなかったと言われている。 そうした華やかな時代を経て、今は当時の大部分の役目を終えながらも、今もなお静かに日々の業務を支え続けている。

時の流れと共に変わりゆく関係性

春には、中庭で美しい桜が花開き、たくさんの人々が喜びの声を上げながら、春の穏やかな美しさを求めてこの場所に集まる。 はるか昔、威風堂々とした面持ちで、技術を誇り、多くの人々に仰ぎ見られていた往年の姿は、もうそこに見つけることは出来ない。 その壮観な佇まいは今も昔も変わらないままだが、長い時の流れが建物と人々の関係を大きく変えてしまった。

かつて知事室として使われていた部屋。カーテンに差し込む光が美しい。

生意気で無鉄砲であった青年が、様々な経験を経る中で、穏やかな老年を迎えるように、時のふるいは、力強いこの建物をも穏やかに包み込んでしまったようだ。 時の流れにあがらうのではなく、身を任せることで生まれる美しさ。古い物に出会う度に感じる美しさが、この場所にも確かに息づいている。

「京都府庁旧本館」

住所
京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
電話番号
075-414-5432
料金
無料
休館日
月曜日、第2・4土曜日、日曜日、祝日
url
https://www.pref.kyoto.jp/qhonkan/
photo / text : STUDIO HAS
エディトリアルスタジオ「STUDIO HAS(スタジオ・ハス)」。メディア「HAS 」の運営をはじめ、編集・デザインを軸に様々なメディアの制作を行なっています。