[ 神社 ]
せせらぎと木漏れ日が織り成す
京都・宮川神社
Miyagawa Shrine
京都・宮川神社
せせらぎと木漏れ日が織り成す神社
穏やかな田園風景が広がる田舎町の片隅に、まるで森の中に佇むように静かに鎮座する神社がある。
この神社の名前は、宮川神社。
境内を奥に進むと苔に覆われた美しい小径が森の中に伸び、木々の合間から柔らかな木漏れ日が降り注ぐ。
目を閉じれば、木々にそよぐ風が鳴らす葉音と、森の中で流れる小川のせせらぎが穏やかなハーモニーを奏でている。
古の鳥居の記憶
琵琶湖に浮かぶ鳥居の歴史は、1937年に始まる。
白髭神社には、遥か古の時代より湖の中に鳥居があったという伝説が残されていた。
室町時代に描かれた屏風絵「近江名所図」や、江戸時代に描かれた絵巻にも湖の中の鳥居が描かれている。
だが、そうした様々な伝承はあるものの、実際に鳥居が存在したという確かな証拠は残されていない。
また古くから湖が波打つ時に、鳥居が見え隠れしていたという言い伝えや天変地異の前兆として、突如鳥居が現れたとも伝えられる伝説も残されていた。
そして、それらの伝説を知った大阪の薬問屋・小西久兵衛による寄進によって、1937年に古の記憶が実物として形となり、湖中の大鳥居の記憶が紡がれてゆくことになる。
新たな名前を宿して
中世までは、この地の守り神としても繁栄していたのだが、1577年に起きた、神尾山の合戦によって焼失の憂き目にあってしまう。
その後、この地では天候不順が相継ぎ、農作物の不作が起き、飢饉が続くことになったという。
そうした出来事の要因は、神による祟りであると考えた村人たちは山頂から現在の山の麓に移し、祈りを捧げ、祭祀を行った。
そして、神社の名称も村の名前を冠し、「宮川神社」という名前を宿し、新たな歴史を刻み始めたのであった。
豊かな自然が織り成す美しい風景と、古の時代から紡がれた記憶が織りなす宮川神社。
この場所は、悠久の時を越え、訪れる人々を時の彼方へと運んでゆくのだ。
- text/photo HAS
Information :
-
宮川神社
address : 〒621-0243 京都府亀岡市宮前町宮川神尾山
-
text/photo :HAS Magazineは、旅と出会いを重ねながら、それぞれの光に出会う、ライフストーリーマガジン。 世界中の美しい物語を届けてゆくことで、一人一人の旅路を灯してゆくことを目指し、始まりました。About : www.has-mag.jp/about