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2021.7.11

特集:物語の紡ぎ手を辿る
パリの記憶を紡いだ写真家
ウジェーヌ・アジェ Eugène Atget’

失われつつある古きパリの記憶を

1857年、フランスのボルドーの静かな町リブルヌ出身の写真家ウジェーヌ・アジェ。
失われつつある古きパリの街並みを30年にわたって撮影した写真家として知られている。なんと彼が生涯撮影した写真の総数は、8000枚にも及んでいたという。

そんなアジェのキャリアのスタートは、写真家ではなかった。
幼い頃に両親を亡くしたアジェは、少年時代には船乗りとしてヨーロッパの各地の港はもとより、南米のウルグアイ、アフリカや遠くは東南アジアまで旅を重ねた。その後役者を志し、30代半ばまで旅芸人の役者としてヨーロッパ各地を渡り歩いたという少し変わった経歴を持っている。

しかし、役者としての評価は決して高いものではなく、最終的には所属していた劇団からクビを言い渡される。
そうした様々な紆余曲折を経て辿り着いたのが写真の道であった。

そして、34歳からフランス・パリにて写真家として活動を始め、40歳の時に「古きパリ」を写真で記録するという決意を抱く。
その後、1927年に70歳で亡くなるまでの約30年もの間に、時代の移り変わりの中で消えつつあった古いパリの街並みを撮影し、8000枚にも及ぶ写真を残した。

生前に大きな評価を得ることはなかったが、死後、様々な人々の尽力によって再評価を受け、現在では「近代写真の父」とまで称される写真家となる。
届かなかった夢と挫折の先に手にした写真機を片手に、誰の評価を求めることもなく、ただ静かに自らの道を歩み続けたアジェ。
その記憶は決して消えることなく、今なお私たちに古きパリの姿を伝え続けている。

[ 関連記事 ]
» ウジェーヌ・アジェとパリの記憶( 1 )
» ウジェーヌ・アジェとパリの記憶( 2 )

ポン・ヌフ 1902-1903年
シテ島の河岸 1923年
オルガン・グラインダー, 1898–99年
ルーアンの中庭 1915年
ソー庭園、6月午前7時 1925年

Reference :

  • 「アジェのパリ」
    著者:
    大島洋
    出版:
    みすず書房
  • 「ウジェーヌ・アジェ回顧」
    企画・監修:
    東京都写真美術館
    出版:
    淡交社
  • 「ウジェーヌ・アジェ写真集」
    編著:
    ジョン・シャーカフスキー
    翻訳:
    原信田実
    出版:
    岩波書店
  • 「写真幻想」
    著作:
    ピエール・マッコルラン
    翻訳:
    昼間賢
    出版:
    平凡社
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