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HAS Magazineは、メンバーシップにご登録頂いた皆様へお届けする様々な物語をご準備しています。ご利用スタイルに応じて、お選び頂ける各種プランがございます。
旅に出るように、まだ見ぬ美しい物語との出会いをお楽しみ下さい。

星降る夜空に In the starry night sky
HAS Magazineでは、読者の皆様に継続して美しい物語を届けるために、持続可能な独立したメディアの運営を指針とし、広告収益ではなく、メンバーシップを軸とした運営を行なっています。

私たちが目指しているのは、小さな星々の瞬きを紡ぐように、雑誌というメディアを育んでゆくこと。
こだわりの一杯の珈琲を届けるように、自らの感覚を大切に深めながら、ひとつひとつの物語を丁寧に紡ぎ、皆様のもとへと届けてゆく。

そして、それぞれの物語が読者の心を灯し、お読み頂く方々が一人、また一人と少しずつ増えてゆく。
それはまるで澄み切った夜空に、星々がひとつずつ瞬いてゆくように。

そうして散りばめられた星々の光を集め、また新たな光を物語に宿し、皆様のもとへと届けてゆく。
そんな風景が広がってゆくことを、私たちは想い描いています。

この取り組みは、とても時間のかかる方法かもしれません。
しかしだからこそ、読者の皆様と共に歩みながら、様々な想いを物語に重ねることが出来ると考えています。
そして、その歩みこそが多くの人々の心に響く物語を生む力になると。

私たちが目指すメディアの在り方は、以下のブランドブックにてお読み頂けます。
是非そちらも併せてご覧頂けますと幸いです。

この風景を描く旅は、きっと長い旅路になります。
読者の皆様とこの旅を共に出来ることを願っています。
無数に広がる物語が描く、星降る夜空に出会う旅へ。
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You can read about HAS Magazine's important values and goals in our brand book.
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2023.6.9
[ 後編 ]

ウジェーヌ・アジェと
パリの記憶

Atget’s
Paris
Atget’s Paris
後編
Atget’s
Paris

失われつつある、古いパリの街並みを30年にわたって撮影した写真家ウジェーヌ・アジェ。
後にその功績が認められ、近代写真の先駆者と父まで称されるのだが、生前に大きな評価を受けることはなかった。

そんなアジェの眼差しの先にある、古きパリの記憶を辿りながら、一人の写真家の歩んだ物語を辿ってゆく「ウジェーヌ・アジェとパリの記憶」。

後編の題名は、「残された永遠の記憶」。
今回の物語では、アジェが近代写真の父と称されるまでに至った運命の出会いを紐解きながら、彼の後半生の物語を辿ってゆきたい。

後編
残された永遠の記憶
Remaining
Memory
Remaining
Memory
タラール公のホテル 1902年

運命の出会い

古きパリを写真に残すこと。
そう決意をした40歳の頃から、30年近くもの歳月が過ぎていた。
青年時代に大海原を旅した過去は、遠い記憶の彼方へと過ぎ去りつつあった。
パリの街では、アジェは「アジェおやじ」、「お人よしのアジェ」と呼ばれていた。

表現者ではなく、職人としての写真家を志したアジェは、彼が望んだにせよ、望まなかったにせよ、写真家として目立った名声を得ることもなく、ひとりの街の写真家として、その生涯を終えようとしていたのだった。

だがその暮らしは、決して悲観的なものではなかった。
派手ではなかったが、慎ましく幸せに暮らしていたようにも感じられる。
役者時代に出会った、同じく役者であった妻・ヴァランティーヌとパリでの日々を穏やかに楽しみながら。

シテ島の河岸 1923年

そんなアジェのもとに、ある一つの運命の出会いが訪れる。
それは、1925年のある日のこと。
アジェが68歳の頃のことであった。

Reference :

  • 「アジェのパリ」
    著者:
    大島洋
    出版:
    みすず書房
  • 「ウジェーヌ・アジェ回顧」
    企画・監修:
    東京都写真美術館
    出版:
    淡交社
  • 「ウジェーヌ・アジェ写真集」
    編著:
    ジョン・シャーカフスキー
    翻訳:
    原信田実
    出版:
    岩波書店
  • 「写真幻想」
    著作:
    ピエール・マッコルラン
    翻訳:
    昼間賢
    出版:
    平凡社
Category :
  • text :
    HAS
    HASは、多様な美しい物語を通して「物語のある暮らしを提案する」ライフストーリーブランド。 ライフストーリーマガジン「HAS Magazine」、クリエイティブスタジオ「HAS Couture」を手掛ける。
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