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あたたかな時間

Heartwarming Time

今回のエッセイでは、先日お届けした物語『鴨川源流・志明院 響き合う水と生命の言葉 』を振り返りながら、「受け継がれる時間」について考えてゆきたいと思います。

早速ですが、読者の皆さんは時間の温度を感じることはありますか?
色も形も、目にも見えない時間に、温度などあるはずがないと思われるかもしれません。

ですが、少し立ち止まって、過ぎゆく時の流れをゆっくりと見つめてみると、顔の見えない誰かが刻む正確な時間とは違う、様々な人々の想いによって紡がれる時間が存在することに気づかされます。
そして、その時間には、不思議なあたたかさが流れているような気がします。

そんな時間への気づきを届けてくれたのは、京都・鴨川の源流の地を守り継ぐ寺院・志明院の物語でした。
志明院の創建は、奈良から京都に都が移され、平安京が誕生してから約30年後のこと。

それから1000年以上もの間、途切れることなく、この地を守る「水の守人」たちによって守り継がれて来ました。
その時間は、一見すると気の遠くなるような時間に感じられます。

ですが、その時間をただ数字として捉えるのではなく、歩んだ人々の姿を通して眺めてみると、また異なる時間への想いを抱きます。
それは、たった十数人の人々が想いを受け継ぎ、歩んだ時間だったいうこと。

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    HAS / Hiroaki Watanabe
    HAS ディレクター / デザイナー。 神戸市出身 京都在住。
    立命館大学産業社会学部在学中に、インディペンデントの音楽イベントの企画・運営に携わる。
    卒業後は環境音楽の制作を開始。その後、独学でウェブ・グラフィックデザインを学び、2019年にHAS創業。
    暮らしを灯す物語をテーマに、デザイン、言葉、写真、音楽を重ね合わせながら制作を行う。

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