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こどもについて

About the Child

自分以外の誰かに何かを伝え、教えてゆくこと。
また時にその人の成長を願い、様々な声を掛け、あるべき方向へと導いてゆくこと。
そうした機会に出会う度に、その難しさに頭を悩まされます。

暮らしを灯す詩をテーマに様々な詩をお届けする「暮らしに寄り添う詩」。
今回、ご紹介する「詩」は、そんな誰かを教え導く時に、ひとつの手掛かりとなる詩だと考えています。

それは子を持つ親であれば、自身の子どもに向けられる眼差しであり、仕事においては、共に働く仲間に向けられる眼差しかもしれません。
それだけでなく人と人が関わり合う時、誰もが時に教え導く立場となり、また時に教えられ導かれる立場となるのではないでしょうか。

すべてを伝え、教えることが常に正しいわけでもなく、教えないことによって導けることもある。
その時々によってふさわしい答えがあり、ただひとつの正解があるわけではありません。

だからこそ答えのない問いに向き合うような難しさがあるのかもしれません。

この詩には、誰しもが巡り会う、そうした悩みをすべて解決してしまうような力はありません。
ですが、そうした状況に向き合う時に、ひとつの灯火となり、歩むべき道を灯す力となる詩だと考えています。

カリール・ジブラーン
Khalil Gibran

カリール・ジブラーン(1883年 〜 1931年)は、レバノン出身の詩人。
宗教的で、哲学的な香気を漂わせる数々の作品は、アラビア諸国だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、南米、中国まで幅広い国々で、今なお多くの人々に親しまれている。主著『預言者』は、世界30数ヵ国語に翻訳されている。
レバノン山間部にある、聖なる谷という意味を持つ、ビッシャリという名の村で生まれ、原始キリスト教の流れを汲むマロン派のカトリック司祭の娘であった母親のもと、誕生後すぐに同派の洗礼を受ける。
しかし、25歳の時、信仰と自らの考えとの折り合いがつかず、同協会から破門。さらに祖国からも追放される。その後、欧米で暮らし、中近東と西洋の精神を混ぜ合わせた独自の世界観を育む。

Reference :

  • 「ハリール・ジブラーンの詩」
    著者:
    カリール・ジブラーン
    翻訳:
    神谷美恵子
    出版:
    角川文庫
Category :
  • text / photo :
    HAS / Hiroaki Watanabe
    HAS ディレクター / デザイナー。 神戸市出身 京都在住。
    立命館大学産業社会学部在学中に、インディペンデントの音楽イベントの企画・運営に携わる。
    卒業後は環境音楽の制作を開始。その後、独学でウェブ・グラフィックデザインを学び、2019年にHAS創業。
    暮らしを灯す物語をテーマに、デザイン、言葉、写真、音楽を重ね合わせながら制作を行う。

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