皆さんは、孤独という言葉にどのようなイメージをもたれているでしょうか。
ある人は、誰とも繋がりのない寂しい境遇のことを。
またある人は、強い意志を持ち、一人で立つ人のことを思い浮かべるかもしれません。
そんな受け取る人によって異なる意味を持つ「孤独」という言葉。
ですが多くの場合、あまり良い意味では用いられない言葉かもしれません。
しかし、この言葉は、誰もがふとした人生の折に頭をかすめる言葉ではないでしょうか。
だからこそ、その時に孤独について何を感じるか、何を考えるかで、歩んでゆく道は少しづつ変わっていくのかもしれません。
今回は、そんな「孤独」という言葉について、あるひとつの手紙を紹介しながら考えてゆきたいと思います。
その手紙とは「若き詩人への手紙」という本の中に残されていた、ある一編の手紙です。
この本は、オーストリア出身の詩人リルケによって書かれた幾つかの手紙をまとめ紡がれた本。
彼は、ドイツ詩史上有数の詩人とも称され「考える人」の彫刻で有名なロダンのもとで秘書を務め、その対話の中で自らの芸術性を磨いた人物としても知られています。
そんな彼が紡いだ手紙には、自らの詩作や人生に悩む、ある一人の青年から受けた相談に対し、リルケが伝えた幾つかの助言が残されています。
今回ご紹介する、その中の一編の手紙は、当時パリで暮らしていたリルケから青年へと届けられた手紙です。
それは、1903年のある冬の日のこと。
その手紙は、数日前に届いた心のこもった青年からの手紙への感謝を書き出しに、彼の「自らの詩作の良し悪しが分からず、詩人として歩むべきかどうか悩んでおり、どうか批評をして欲しい」という悩みに答える形で展開されてゆきます。
- text / photo HAS
Reference :
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「若き詩人への手紙」
- 著者:
- ライナー・マリア・リルケ
- 著者:
- フランツ・クサーファー・カプス
- 編集:
- エーリッヒ・ウングラウプ
- 翻訳:
- 安家達也
- 出版:
- 未知谷
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text / photo :HAS Magazineは、旅と出会いを重ねながら、それぞれの光に出会う、ライフストーリーマガジン。 世界中の美しい物語を届けてゆくことで、一人一人の旅路を灯してゆくことを目指し、始まりました。