HAS Magazine
HAS Magazine
HAS Magazine
search
account
Share the Article
美の遊行者
大手拓次
『藍色の蟇』より

そのむかし、わたしの心にさわいだ野獣の嵐が、
初夏の日にひややかによみがへつてきた。

すべての空想のあたらしいたねをもとめようとして南洋のながい髪をたれた女鳥のやうに、いたましいほどに狂ひみだれたそのときの一途の心がいまもまた、このおだやかな遊惰の日に法服をきた昔の知り人のやうにやつてきた。

なんといふあてもない寂しさだらう。
白磁の皿にもられたこのみのやうに人を魅する冷たい哀愁がながれでる。

わたしはまことに美の遊行者であつた。

苗床のなかにめぐむ憂ひの芽、望みの芽、
わたしのゆくみちには常にかなしい雨がふる。

Artist
大手拓次
大手 拓次(おおてたくじ / 1887 - 1934年)は、群馬県出身の日本の詩人。
早稲田大学第三高等予科を経て、1907年9月、早稲田大学文学学術院英文科に入学。この頃より詩の発表を始める。
1916年にライオン歯磨本舗に就職。以後、生涯をサラリーマンと詩人の二重生活に捧げた。
生涯に書かれた詩作品は2400近くにのぼる。作品の発表を盛んに行っていたものの、生前に詩集が発刊されることはなかった。
Refference
藍色の蟇

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/single/single-music.php on line 202

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/single/single-music.php on line 203
  • 著者 大手拓次

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/single/single-music.php on line 203
  • 出版 青空文庫

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/single/single-music.php on line 203
Share the Article
The Sea & the Rhythm
Iron & Wine
懐かしい友と巡り会うように
More Info
懐かしい友と巡り会うように

ふと昔懐かしい友を想い出す時。 心の片隅に残された、かつての記憶が穏やかに灯されてゆきます。 この音楽は、そんな懐かしい友と巡り会う時間を思いおこしてくれる一曲です。

「The Sea & the Rhythm」という曲名と同じ、アルバムに収録された一曲。 この曲は、アメリカ・サウスカロライナ州出身のシンガーソングライター Iron & Wine アイアン・アンド・ワインによって紡がれました。

歩み続ける日々から少し立ち止まり、過ぎ去りし時を想う時間。 そんな穏やかな郷愁に寄り添う美しい音楽です。

Artist
Iron & Wine
アメリカ・サウスカロライナ州出身のシンガーソングライター、サム・ビームことアイアン・アンド・ワイン。
その名前は、自身が映画を撮影している際に、偶然雑貨店で見つけたサプリメント「Beef Iron & Wine」から名付けたという。
どこか懐かしい穏やかな歌声を特徴とする音楽家である。
Refference
The Sea & the Rhythm
  • ArtistIron & Wine
  • AlbumIron & Wine
Share the Article
山村暮鳥
『雲』より

雲もまた自分のやうだ
自分のやうに
すつかり途方にくれてゐるのだ

あまりにあまりにひろすぎる
はてのない蒼空なので

おう老子よ
こんなときだ

にこにことして
ひよつこりとでてきませんか

read more
More Info
Artist
山村暮鳥
山村 暮鳥(やまむら ぼちょう / 1884 - 1924年)は、山村暮鳥は明治から大正にかけて活躍した現在の高崎市出身の詩人・児童文学者。
本名、土田八九十(つちだ はくじゅう)。
1909年、人見東明から「静かな山村の夕暮れの空に飛んでいく鳥」という意味をこめ「山村暮鳥」の筆名をもらう。
築地の聖三一神学校時代に文学に開眼し、卒業後はキリスト教の伝道師として各地で布教活動をしながら詩を書き続け、数多くの作品を生み出した。
代表作は『聖三稜玻璃』(1915年)、『風は草木にささやいた』(1918年)、『雲』(1925年)など。
Refference

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 80

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 著者 山村暮鳥

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 出版 青空文庫

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
Share the Article
Haru Spring
Harold Budd
響き渡る水の音のように
More Info
響き渡る水の音のように

滴り落ちる水が反響し、美しい水音となって響き渡る。
この音楽は、まるで日本庭園の中にある水琴窟が奏でる音色のように、捉えどころのない自由な響きを紡ぐピアノ曲です。

「In The Mist」という名のアルバムに収められた一曲。
この曲は、アメリカの作曲家であり、ピアニストのハロルド・バッドによって紡がれました。

ささやくように揺らぐピアノの音色が穏やかな静寂を暮らしの中に届けてくれます。

Artist
Harold Budd
ハロルド・バッド (1936年5月24日 - 2020年12月8日)は、アメリカ合衆国の作曲家であり、ピアニスト。
カリフォルニア大学ノースリッジ校で学士号を取得するもミニマリズムと前衛音楽に自らの限界を感じ、一時作曲活動を休止。
その後、ブライアン・イーノのプロデュースのもと、再デビュー・アルバムをリリース。
「作曲とは無駄なものを取り除いていくこと」という理念をもとに、ラディカル・シンプリシティをテーマに独自のアンビエント・ミュージックのスタイルを追究した。
Refference
Haru Spring
  • ArtistHarold Budd
  • AlbumHarold Budd
Share the Article
竹の林の歌
北原白秋
『観相の秋』より

わが宿の竹の林に、夕あかりかがよふ見れば、
その竹の湿る根ごとに、何か散り、深く光れり。

その節のひとつひとつに、何かまた留り光れり。
その笹のさみどりの葉に、何かまた揺れて光れり。

金色のその光るもの、こまごまと眼に染しみるもの、
雨ふりてあかれるのちは、とりわけて揺れてうつくし。
寂しくて見てゐるきはは、いよいよに消えてうつくし。

揺るるともただ見てらむ、消ゆるともまた見て居らむ、
堪へ堪へて日の暮るるまで、なほなほに寂しがりつつ。

わがやどの竹の林の夕あかり、裏山松の松風の音のこなたに。

read more
More Info
Artist
北原白秋
北原 白秋(きたはら はくしゅう / 1885 - 1942年)は、福岡県柳川出身の詩人・童謡作家・歌人。
本名は、北原 隆吉(きたはら りゅうきち)、
1904年に早稲田大学に入学と共に上京。明治39(1906)年与謝野寛に誘われ新詩社に参加、『明星』で活躍する。
治42(1909)に第一詩集『邪宗門』を発表。2年後に詩集「思ひ出」を発表すると名実ともに詩壇の第一人者となる。
生涯にわたり多数の優れた詩歌を残し、近代日本を代表する詩人とされている。
Refference
観相の秋

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 80

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 著者 北原白秋

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 出版 青空文庫

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
Share the Article
An Untitled Hill
Enji
名もなき愛を紡ぐ歌
More Info
名もなき愛を紡ぐ歌

モンゴル・ウランバートル出身、現在はドイツ・ミュンヘンを拠点に活動するジャズシンガー・エンジ(Enji)による一曲。

この曲が収録されたアルバム『Ursugal』には、彼女の父への想いが込められています。
その想いとは、父親への愛情。
彼女の家族は、「愛してる」という言葉を互いに口にすることは、ほとんどなかったと語っています。
しかし、それは決して愛がないのではなく、その言葉を口にする気恥ずかしさがあったのだと言います。
その感覚は、私たち日本人の家族への想いと、どこか似ているようにも感じます。

アルバム『Ursugal』は、そんな彼女の内面にある深い愛情を表現することを大切にしながら作られました。
そして、この「An Untitled Hill(名もなき丘)」は、このアルバムの最後に収められた一曲。
この曲には、彼女の記憶の中にある、かつて父と共に歩いた故郷のある丘の風景が流れているのかもしれません。

それはきっと他の誰かにとっては何でもない、しかし彼女にとっては特別な、名もない丘の風景なのだと思います。

Artist
Enji
1991年、モンゴル・ウランバートル出身、ドイツ・ミュンヘンを拠点に活動するジャズシンガー・エンジ(Enji)ことエンクヤルガル・エルケムバヤル(Enkhjargal Erkhembayar)。
歌を愛する両親のもと、モンゴルの伝統的な移動式住居ゲルを住まいとし、子供時代を過ごす。

もともと歌手ではなく、音楽教育に関心があった彼女のキャリアは、小学校の音楽教師から始まる。
しかし、後に彼女が暮らす地域で開催された、ドイツの文化機関「ゲーテ・インスティトゥート」の資金援助によるジャズ教育プロジェクトへの参加がきっかけとなり、自分の中にある歌への想いに気付き、教育者から歌手への道を歩み始める。

その後、ドイツ・ミュンヘンに移住し、音楽・舞台芸術大学のジャズヴォーカル修士課程を卒業し、本格的な歌手として活動を開始する。
両親から受け継いだモンゴル遊牧民族の民謡や舞踊、伝統的な歌唱法を下地に西洋の音楽表現を融合させた、独自のスタイルを持つ、ジャズシンガーである。
Refference
An Untitled Hill
  • ArtistEnji
  • AlbumEnji
Share the Article
水のほとり
三富朽葉
『青空文庫』より

水のほとりにこぼれる
響ない真昼の樹魂こだま

物のおもひの降り注ぐ
はてしなさ。

充ちて消えゆく
もだしのこたへ。

水のほとりに生もなく死もなく、
声ない歌、
書かれぬ詩、
いづれかうるはしからぬ自らがあらう?

たまたま過ぎる人の姿、獣のかげ、
それは皆遠くへ行くのだ。

色、

光り、
永遠に続く中。

read more
More Info
Artist
三富朽葉
詩人。名は「きゅうよう」とも。早稲田大学英文科卒。1909(明治42)年、人見東明、加藤介春らとともに自由詩社をおこし、口語自由詩を唱道。機関誌の「自然と印象」、「早稲田文学」等に作品を発表。
1917(大正6)年、犬吠岬にて溺れた友人の今井白楊を助けようとし海に入るが、そのまま帰らぬ人となってしまう。享年27歳。あまりに早い最期だった。
Refference
青空文庫

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 80

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 著者 三富朽葉

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
  • 出版 青空文庫

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/poetry-parts.php on line 81
Share the Article
Wintering
Laura Gibson
穏やかな陽だまりのような歌声を
More Info
穏やかな陽だまりのような歌声を

優しい日差しに包まれた昼下がりのひと時。 この音楽は、そんな午後の穏やかな陽だまりを描くように紡がれた一曲です。

この歌の主は、アメリカ・オレゴン州の小さな町コキール出身の女性シンガーソングライターのLaura Gibson ローラ・ギブソン。
「If You Come To Greet Me」と名付けられたアルバムに収録されています。

穏やかな陽だまりが心をゆっくりとほどいてゆくように、聴く人の心を穏やかに灯してくれる音楽です。

Artist
Laura Gibson
アメリカ・オレゴン州の小さな町コキール出身の女性シンガーソングライターのローラ・ギブソン。
ニューヨークとオレゴンを拠点に、四大陸でのツアーを行うなど世界各地で音楽活動を行っている。
伝統的な民族音楽と実験的な精神の両方を大切にしながら領域にとらわれない幅広い音楽制作を行っている。
Refference
Wintering
  • ArtistLaura Gibson
  • AlbumLaura Gibson
Share the Article
When We Fail
Grouper
朝靄に包まれるような美しさを
More Info
朝靄に包まれるような美しさを

木々の隙間から微かに零れる光が朝靄を静かに染める夜明け。
この音楽は、そんな美しい朝のひと時をすくい上げるように紡がれた一曲です。

この曲は、アメリカ・ポートランド出身の女性アーティスト Grouperの5作目となるアルバム「Dragging a Dead Deer up a Hill」の中に収録されています。

淡い光に包まれる、儚く美しい朝のひと時のような時間を私たちに届けてくれます。

Artist
Grouper
アメリカ・ポートランド出身の女性アーティスト、Liz Harris リズ・ハリス のソロ・プロジェクト Grouper。
空間を満たすサウンドスケープとシンプルなピアノの音色を背景に、ささやくような歌声を重ね合わせ、幻想的な世界観を生み出している。
また音楽のみならず、自らのアルバムジャケットのアートワークも手掛けるなど、音楽とアートの垣根を越えた表現を行う。
Refference
When We Fail
  • ArtistGrouper
  • AlbumGrouper
Share the Article
Little Gray Cat
Grouper
重なり合う幽玄な歌声を
More Info
重なり合う幽玄な歌声を

アメリカ・ポートランド出身の女性アーティスト Grouperと Inca Ore の Splitアルバムからの一曲。それぞれの繊細な歌声がレイヤーのように重なり合い、幽玄な時間を紡ぎ出す美しい一曲です。

Artist
Grouper
アメリカ・ポートランド出身の女性アーティスト、Liz Harris リズ・ハリス のソロ・プロジェクト Grouper。
空間を満たすサウンドスケープとシンプルなピアノの音色を背景に、ささやくような歌声を重ね合わせ、幻想的な世界観を生み出している。
また音楽のみならず、自らのアルバムジャケットのアートワークも手掛けるなど、音楽とアートの垣根を越えた表現を行う。
Refference
Little Gray Cat
  • ArtistGrouper
  • AlbumGrouper
Share the Article
片町に更紗染めるや春の風
与謝蕪村
『郷愁の詩人 与謝蕪村』より
More Info
Artist
与謝蕪村
与謝 蕪村(よさ ぶそん / 1716 - 1784年)は、江戸時代中期の日本の俳人・文人画家。
現在の大阪郊外、淀川に近い村で生まれ、20歳前に江戸へ出ると、巴人(はじん)という俳人に師事して俳句を学び始める。
28歳の頃、俳号として「蕪村」を名乗り始め、松尾芭蕉への憧れから10年に近い放浪生活を重ね、42歳のときに京都へ定住した。
絵と俳句の両面で独自の世界観を描き出し、近代の俳人や詩人たちにも大きな影響を与えた。
Refference
郷愁の詩人 与謝蕪村

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/words-parts.php on line 69

    Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/words-parts.php on line 70
  • 編集 萩原朔太郎

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/words-parts.php on line 70
  • 著作 与謝蕪村

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/words-parts.php on line 70
  • 出版 青空文庫

  • Warning: Undefined variable $single_number in /home/studiohas/has-mag.jp/public_html/wp-content/themes/HAS_Magazine_2025_1211/template/retreat/words-parts.php on line 70
Share the Article
  • リンクをコピー
filter
share