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ふと昔懐かしい友を想い出す時。 心の片隅に残された、かつての記憶が穏やかに灯されてゆきます。 この音楽は、そんな懐かしい友と巡り会う時間を思いおこしてくれる一曲です。
「The Sea & the Rhythm」という曲名と同じ、アルバムに収録された一曲。 この曲は、アメリカ・サウスカロライナ州出身のシンガーソングライター Iron & Wine アイアン・アンド・ワインによって紡がれました。
歩み続ける日々から少し立ち止まり、過ぎ去りし時を想う時間。 そんな穏やかな郷愁に寄り添う美しい音楽です。
その名前は、自身が映画を撮影している際に、偶然雑貨店で見つけたサプリメント「Beef Iron & Wine」から名付けたという。
どこか懐かしい穏やかな歌声を特徴とする音楽家である。
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吹き抜ける風、やわらかな木漏れ日、穏やかな川のせせらぎ。 美しい自然が訪れる人をそっと包み込むような場所。 この音楽には、まるでそんな安息の地へと誘うような優しい歌声が流れています。
「A Plea En Vendredi」というアルバムの中に収められた一曲。 この曲は、オーストラリア出身の学者であり、シンガーソングライターのタマズ・ウェルズによって紡がれました。
聴く人の心を優しく包み込むような彼の歌は、安らぎの地の穏やかな木漏れ日のように、あたたかな時間を私たちに届けてくれます。
彼は、2006年から2012年の6年間をミャンマーで過ごし、現地のNGOでHIV/エイズ教育のヘルスワーカーやフィールドワーカーの仕事をしていた。
その後メルボルンに戻り、メルボルン大学でビルマ政治学の博士号を取得し、現在は学者として暮らしている。
そんな彼の奏でる歌声は、澄み切った優しさに包まれ、「天使の歌声」とも称される。
異色の経歴を持つシンガーソングライターである。
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カナダ・モントリオールを拠点に活動するフォークシンガー兼プロデューサーのマーカス・ローリー(Marcus Lowry)による一曲。
「Rosie」と名付けられた、この曲は、マーカス・ローリーのデビューアルバムとなる 「Time, Time, Time」の中に収められています。
このアルバムがリリースされたのは、2023年9月。
僅か100部限定の自主リリースのレコードとして発表されました。
9曲の楽曲で構成され、まるで本のページをめくるように、喪失、叶わぬ夢、そして避けられない時の流れを語る、様々な物語が彼の優しい歌にのせて紡がれます。
「Rosie」は、このアルバムのはじまりの一曲。
この歌は、「ロージー」という一人の少女に捧げられた変わらぬ愛の想いが込められています。
それは、移ろいゆく時の流れの中で、決して変わることのない深い愛の物語。
人を愛することの儚さと美しさを教えてくれる一曲です。
今回は、英語の詞を稚拙ではありますが翻訳し、原文と併記するかたちで掲載させて頂きました。
紡がれる音楽だけでなく、その美しい詞の世界にも耳を澄ませながら、聴いてみて下さい。
きっとそれぞれの愛の物語が心の中で流れてゆくと思います。
「ロージー」 - この古い木の枝は、 私たち二人がぶら下がる場所だった そこで私たちは笑い、すべてを手に入れた しかし、ある日、私は見たんだ あの風が幾度も吹いてくることを そして、私は風に運ばれ落ちていった あの高い木の枝から 今、私は下にいるけれど 君が顔を赤らめ、成長するのを見るために、 今もここにいる この歌を歌うことを夢見てきた でも、私はもういない だから鳥たちは歌い続ける 愛しいロージー あなたはいつここに来るの? ロージー 愛しているよ 日は短くなり 夜は長くなる 今、大雨が降っているんだ 鳥はもう私たちの歌を歌わない 草が伸びて以来 草の葉が私を守ってくれる そして今、故郷のように感じる 時は流れ、私は老いてゆく 暗く寒くても 私は祈りながらここにいる いつかあなたが風に運ばれ落ちゆく時 あなたが私の道の上を転がってくれることを 願いながら 愛しいロージー あなたはいつ来るの? ロージー 愛しているよ (『Rosie / Marcus Lowry』より意訳) - 「Rosie」 - On a branch from this old tree A place where we'd hang across We'd laugh and have it all Although one day I did see That winds kept coming round And they made me fall From ten feet tall Now even though I'm down below I'm here to watch you blush and grow I've dreamt of singing you this song But now I'm gone And so the birds have to Keep singing on Rosie my dear When will you be here Rosie you know I love you so Days grow short and nights grow long Now heavy rains are falling Birds no longer sing our song And ever since the grass has grown Leaves have sheltered over me And now it feels like home Time goes by and I grow old And even though it's dark and cold I'll be here while I pray For you to fall one day And on that day I hope that You roll my way Rosie my dear When will you be here Rosie you know I love you so
幼少期から音楽に親しみ、フランスの作曲家ヴァンサン・ダンディの名を冠するカナダ・モントリオールの音楽学校「ヴァンサン・ダンディ音楽院」の初等科のヴァイオリン科を修了した後、10歳でヴァイオリンをギターに持ち替えることを決意。
その後、モントリオール大学でジャズ・パフォーマンスの学士号を取得して以降、様々な国内外のミュージシャンとしての共演しながら、シンガーソングライターとしての自身の音楽を育み続けている。
Mount Eerie マウント・イアリ や Tamas Wells タマズ・ウェルズといった穏やかで美しいフォークソングを歌うミュージシャンとも重なり合うような素晴らしい歌い手である。
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雲もまた自分のやうだ
自分のやうに
すつかり途方にくれてゐるのだ
あまりにあまりにひろすぎる
涯のない蒼空なので
おう老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひよつこりとでてきませんか
本名、土田八九十(つちだ はくじゅう)。
1909年、人見東明から「静かな山村の夕暮れの空に飛んでいく鳥」という意味をこめ「山村暮鳥」の筆名をもらう。
築地の聖三一神学校時代に文学に開眼し、卒業後はキリスト教の伝道師として各地で布教活動をしながら詩を書き続け、数多くの作品を生み出した。
代表作は『聖三稜玻璃』(1915年)、『風は草木にささやいた』(1918年)、『雲』(1925年)など。
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私の室に一冊のよごれたバイブルがある。
椅子につかふ厚織更紗で表紙をつけて背に羊の皮をはつて NEW TESTAMENT. とかいて私はそれを永い間持つてゐる。
十余年間も有つてゐる。
それは私の室の美しい夥しい本の中でも一番古くよごれてゐる。
私は暗黒時代にはこのバイブル一冊しか机の上にもつてゐなかつた。
寒さや飢ゑや病気やと戦ひながら、私の詩が一つとして世に現はれないころに、私はこのバイブルをふところに苦しんだり歩いたりしてゐた。
いまその本をとつてみれば長い讃歎と吐息と自分に対する勝利の思ひ出とに、震ひ上つて激越した喜びをかんじるのであつた。
私はこれからのちもこのバイブルを永く持つて、物悲しく併し楽しげな日暮など声高く朗読したりすることであらう。
ある日には優しい友等とともに自分の過去を悲しげに語り明すことだらう。
どれだけ夥しく此聖書を接吻することだらう。
生後まもなく真言宗高野山派、千日山雨宝院にもらわれ、養父母のもとで育つ。
高等小学校を中退し、12歳で働きはじめた犀星は、文学への思いを募らせて20歳で単身上京、生活苦にあえぐなかで数々の詩を作った。
『愛の詩集』『抒情小曲集』などの抒情詩は大正期の詩壇を牽引し、さらに小説家としても活躍した。
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ブレイクは、ビジョンと呼ばれる幻視体験に基づいた特異な見解から同時代の人々からは狂人扱いされており、生前は詩人としては認められることはなく、一介の彫版師として生活した。
その後の批評家や読者からは、その表現力と創造性、そして作品内の哲学的・神秘主 義的な底流が高く評価されるようになり、ワーズ・ワース、コール・リッジらとともにイギリス・ロマン派の詩人の重要人物として知られている。
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東京美術学校(東京藝術大学)卒業後、彫刻修業のためアメリカとヨーロッパへ渡る。
パリでロダンに出会い大きな影響を受け、日本を代表する彫刻家であり画家となったが生前に残した『道程』『智恵子抄』などの詩集が広く知られ、日本文学の近現代を代表する詩人として位置づけられている。
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日が西に沈んでいく、
宵の明星が輝いている、
鳥は巣に戻って鳴きやみ、
私は自分の巣を探さなければならない。
花のような月は、
静かな光に包まれて、
天上高い四阿に座り、
夜にほほえみかけている。
さようなら、群れなす羊を楽しませていた
緑の野、しあわせな茂みよ。
小羊たちが草を食んでいた野山を
光の天使たちは静かに進む。
天使たちは目に見えぬかたちで
ひとつひとつの花と芽に
眠っているものの胸に
やすみなく祝福と歓びを注ぐ。
鳥たちを暖かくつつむ
無防備な巣をのぞき、
獣たちの住む洞穴をもれなく訪れる。
それらのものが傷つかぬように。
眠ることができなくて
泣いているものがあれば、
そのまぶたに眠りを注ぎこみ、
寝床のかたわらに座って見守る。
狼や虎が獲物をもとめて吠えるときには
憐れみのあまり立ち止まり泣く。
彼らの渇きをいやす道を探し求め
羊に手を出さないように導く。
しかし彼らが激しく猛り狂うときには
思慮深き者、天使たちは
従順な魂をひとつひとつ受け取り、
新しい世に送り出す。
そこでは、獅子たちの赤く燃える目も
黄金の涙を流す。
弱いものを憐れんで吠え、
羊たちの群のなかを歩きまわって言う。
怒りは彼のおだやかさによって
病は彼の健やかさによって
この不死の世界から
追い払われた
そして穏やかに鳴く羊よ、
これからはお前のかたわらに横たわり、
お前の名で呼ばれる方のことを思い、
お前を見守って泣く。
命の川で洗い清められた
私のたてがみは、
永遠に黄金のように光り輝く。
お前たちを守り続ける限り。
ブレイクは、ビジョンと呼ばれる幻視体験に基づいた特異な見解から同時代の人々からは狂人扱いされており、生前は詩人としては認められることはなく、一介の彫版師として生活した。
その後の批評家や読者からは、その表現力と創造性、そして作品内の哲学的・神秘主 義的な底流が高く評価されるようになり、ワーズ・ワース、コール・リッジらとともにイギリス・ロマン派の詩人の重要人物として知られている。
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アメリカ・イリノイ州のChris Fraley (クリス・フレイリー)が手掛けるアンビエント・プロジェクトInnesti による一曲。
「Motes and Shadow」と名付けられた、この曲は「Formless」というアルバムの中に収められています。
アルバム名の「Formless」とは、「形のない・漠然とした」という意味を表す言葉。そして楽曲の「Motes and Shadow」とは、「ちりや微片と影」という意味を表しています。
そうした言葉が表すように、この楽曲には、どこか儚く掴みどころのない幽玄な世界観が流れています。
霧の中で美しい音色が響き渡るような幻想的な音楽は、聴く人を穏やかな時の彼方に運んでくれるのではないでしょうか。
1980年代にイギリスで設立された音楽レーベル・4ADの世界観を定義したThis Mortal Coilのような幽玄で優美なサウンドと現代のアンビエント・サウンドスケープを組み合わせた表現を指針とし制作を行っている。
淡い音のレイヤーが神秘的な世界観を紡ぎながら、ゆっくりと広がる彼女の音楽は、読書や夢想、瞑想の時間をより深い体験へと導いてゆくだろう。
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