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1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立。1925年上京し、東京に定住。
大正時代に近代詩の新しい地平を拓き「日本近代詩の父」と称される。
詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。
- 著者 萩原 朔太郎
- 出版 青空文庫
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そのむかし、わたしの心にさわいだ野獣の嵐が、
初夏の日にひややかによみがへつてきた。
すべての空想のあたらしい核をもとめようとして南洋のながい髪をたれた女鳥のやうに、いたましいほどに狂ひみだれたそのときの一途の心がいまもまた、このおだやかな遊惰の日に法服をきた昔の知り人のやうにやつてきた。
なんといふあてもない寂しさだらう。
白磁の皿にもられたこのみのやうに人を魅する冷たい哀愁がながれでる。
わたしはまことに美の遊行者であつた。
苗床のなかにめぐむ憂ひの芽、望みの芽、
わたしのゆくみちには常にかなしい雨がふる。
早稲田大学第三高等予科を経て、1907年9月、早稲田大学文学学術院英文科に入学。この頃より詩の発表を始める。
1916年にライオン歯磨本舗に就職。以後、生涯をサラリーマンと詩人の二重生活に捧げた。
生涯に書かれた詩作品は2400近くにのぼる。作品の発表を盛んに行っていたものの、生前に詩集が発刊されることはなかった。
- 著者 大手拓次
- 出版 青空文庫
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この本は、東山魁夷がドイツやオーストリアの古い町並みを旅しながら、その旅の中で感じた想いを自らの絵と文章で綴った本。
本の冒頭に、この言葉は添えられています。
- 著者 東山魁夷
- 出版 ビジョン企画出版社
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アメリカ合衆国ノースカロライナ州シャーロットを拠点に活動する、シンガーソングライター / エミリー・セージ(Emily Sage)による一曲。
「Lumiére ルミエール」と名付けられた、この曲は、エミリー・セージのアルバム「The Sounds of Serenity Garden」の中に収められています。
「Lumiére」とは、フランス語で光を表す言葉。
そして、アルバム名に付けられた「Serenity Garden セレニティー・ガーデン=穏やかな庭」とは、シャーロットで開催される音楽フェスティバルに合わせ、2023年に都市の中に整備された新たな緑地の名前。
アルバム名の「The Sounds of Serenity Garden」は、そんな都市の中の緑地セレニティー・ガーデンの響きという意味を表しています。
その名前が語りかけるように、このアルバムのコンセプトは、音楽を通じて都会の喧騒の中で自然に出会うということ。
私たちが時間をかけて丁寧に耳を澄ませば、忙しない都会の中でさえも、いたるところに美と芸術があることを感じられるという彼女の想いが込められています。
ささやくように紡がれる彼女の幻想的な歌声は、耳にする人の暮らしの中に、穏やかな自然の光を灯してくれます。
子供時代をポルトガルで過ごし、伝統的なポルトガルの音楽ファドやノラ・ジョーンズ、アンドレア・ボチェッリ、クラシックなどを聴いて育つ。
大学進学に合わせて、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルのベルモント大学でソングライティングと音楽ビジネスを学び、その後音楽活動の拠点として、ノースカロライナ州シャーロットに移住する。
ポルトガルの子供時代に育んだ感性を背景に紡がれる、ささやくような幻想的な歌声が印象的なシンガーである。
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短い日照時間によって、長い暗闇に包まれる北欧の冬。
この音楽は、そんな冬の闇に暖かな光を灯すように紡がれたピアノ曲です。
彼の初となるピアノソロ・アルバム「Pinô」に収録された、アルバム名と同じ名前の一曲。
この曲は、ノルウェー出身の音楽家 Otto A Totland オット・A・トットランドによって生み出されました。
まるで穏やかな春の日を想わせる、どこか優しく、柔らかな温もりに包まれたこの曲は、北欧の長い冬の先にある微かな春の光を私たちに感じさせてくれます。
トラックメイキングから音楽制作を始め、その後ピアノでの作曲を行うようになる。
憂いを帯びた美しいサウンドスケープを描く「Deaf Center」のメンバーとしての音楽活動を経て、2014年に初のソロピアノ作品「Pino」を発表した。
ひとつひとつのピアノの音色を丁寧に紡ぐ、優しい音楽を紡いでいる。
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明け方のまだ淡い朝日に照らされた水面の光。
この音楽は、そんな朝の光に溶かされ、淡いオレンジの輝きに染まる水面をすくい上げるように紡がれた音響作品です。
「Shizuku」というアルバムの中に収められた一曲。
この曲は、東京を拠点に活動する音楽ユニットILLUHA イルハによって紡がれました。
アルバムの名前に付けられた「雫」という言葉。
この言葉が表すように、水と光が織りなす美しい雫のような時間を私たちの暮らしに届けてくれます。
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ほかの人が苦しんでいるのを見たら、
私も悲しまずにはいられない。
ほかの人が苦しんでいるのを見たら、
慰める方法を考えずにはいられない。
涙がこぼれ落ちるのを見たら、
同じ気持ちにならずにはいられない。
父が子の泣く姿を見たら、
悲しみで胸がいっぱいにならずにはいられない。
子どもが幼い恐怖にうめき苦しんているのに、
母親は黙ってそれを聞いていることができるだろうか。
いやいやそんなことはできはしない。
決してできるわけがない。
まして私たちみなに微笑みかけて下さる方が、
鷦鷯の小さな悲しみを聞き
小鳥たちの憂いや悩みを聞き
子どもたち哀れな様子を聞いたら、
巣のかたわらに座って
彼らの胸に憐れみの心を注いだり、
揺りかごのそばに座って
子どもたちとともに涙せずにいられようか。
私たちの涙をぬぐうために、
昼も夜も私たちを見守らずにいられようか。
いやいやそんなことはできはしない。
決してできるわけがない。
その方はあらゆるものに歓びを与え、
その方は小さな子どもになられる。
その方は嘆きの人となって、
その方は悲しみをともにする。
あなたがため息をついているのにあなたを創った方が、
ため息をつかないなどと考えてはならない。
あなたが涙を流しているのにあなたを創った方が、
涙を流さないなどと考えてはならない。
おお、神は私たちに歓びをくださる、
神は私たちの悩みを打ち砕く、
私たちの悩みが消え去るまで、
神は私たちの傍らで悲しみつづける。
ブレイクは、ビジョンと呼ばれる幻視体験に基づいた特異な見解から同時代の人々からは狂人扱いされており、生前は詩人としては認められることはなく、一介の彫版師として生活した。
その後の批評家や読者からは、その表現力と創造性、そして作品内の哲学的・神秘主 義的な底流が高く評価されるようになり、ワーズ・ワース、コール・リッジらとともにイギリス・ロマン派の詩人の重要人物として知られている。
- 著者 ウィリアム・ブレイク
- 出版 青空文庫
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澄み切った水面に零れ落ちる光。
この曲は、そんな自然が描く束の間のひと時をすくい上げるように紡がれた楽曲です。
この曲は、カナダ・サスカチュワン州出身の女性アーティストCharlotte Oleena (シャルロット・オリーナ)によるソロ・ユニット、Sea Oleena (シー・オリーナ)によって紡がれました。
彼女が生まれたカナダ・サスカチュワン州は、広大な草原と十万を数える湖と川が流れ、果てしなく広がる青い空に包まれた雄大な自然が息づく土地。
まるで美しい自然のひと時を紡ぐような彼女の音楽は、そんな彼女の心の中に流れる心象風景を描いたものなのかもしれません。
子供時代にピアノ教室に通うも馴染まず、独学で作曲を始める。その後、偶然実家の空き部屋のベッドの下に、古いアコースティックを見つけたことがきっかけとなり、最初のセルフアルバムを完成する。
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日が西に沈んでいく、
宵の明星が輝いている、
鳥は巣に戻って鳴きやみ、
私は自分の巣を探さなければならない。
花のような月は、
静かな光に包まれて、
天上高い四阿に座り、
夜にほほえみかけている。
さようなら、群れなす羊を楽しませていた
緑の野、しあわせな茂みよ。
小羊たちが草を食んでいた野山を
光の天使たちは静かに進む。
天使たちは目に見えぬかたちで
ひとつひとつの花と芽に
眠っているものの胸に
やすみなく祝福と歓びを注ぐ。
鳥たちを暖かくつつむ
無防備な巣をのぞき、
獣たちの住む洞穴をもれなく訪れる。
それらのものが傷つかぬように。
眠ることができなくて
泣いているものがあれば、
そのまぶたに眠りを注ぎこみ、
寝床のかたわらに座って見守る。
狼や虎が獲物をもとめて吠えるときには
憐れみのあまり立ち止まり泣く。
彼らの渇きをいやす道を探し求め
羊に手を出さないように導く。
しかし彼らが激しく猛り狂うときには
思慮深き者、天使たちは
従順な魂をひとつひとつ受け取り、
新しい世に送り出す。
そこでは、獅子たちの赤く燃える目も
黄金の涙を流す。
弱いものを憐れんで吠え、
羊たちの群のなかを歩きまわって言う。
怒りは彼のおだやかさによって
病は彼の健やかさによって
この不死の世界から
追い払われた
そして穏やかに鳴く羊よ、
これからはお前のかたわらに横たわり、
お前の名で呼ばれる方のことを思い、
お前を見守って泣く。
命の川で洗い清められた
私のたてがみは、
永遠に黄金のように光り輝く。
お前たちを守り続ける限り。
ブレイクは、ビジョンと呼ばれる幻視体験に基づいた特異な見解から同時代の人々からは狂人扱いされており、生前は詩人としては認められることはなく、一介の彫版師として生活した。
その後の批評家や読者からは、その表現力と創造性、そして作品内の哲学的・神秘主 義的な底流が高く評価されるようになり、ワーズ・ワース、コール・リッジらとともにイギリス・ロマン派の詩人の重要人物として知られている。
- 著者 ウィリアム・ブレイク
- 出版 青空文庫
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心の嵐が今去つたところだ
熱い嵐の中で、つめたい心がこゞえて
獣になつて魂の野を
走りまはつてゐた。
火に烙かれながら、一つの氷が
曇り日の天に向つて叫んだ。
心の嵐が今去つたところだ。
疲れた氷の火が静かにとけて
秋の曇り日の天の下に
春のやうなひかりを感じる。
やつと見つけたお母さんの乳房に
泣きじやくりながら、かじりつく赤ん坊に
私のこゝろは似てゐると思ふ。
1924年3月東京帝国大学ドイツ文学科卒業、同年4月より法政大学予科ドイツ語専任教授となる。
戦前に渡欧し、スイスにロマン・ロランのもとを訪れ、大きな影響を受ける。
西欧の文学と芸術を深く愛し、ロマン・ロラン、ヘッセ、リルケ、ハイネ、ゲーテといった独仏文学の翻訳も数多く手掛けた。
- 出版 中央公論社
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アメリカ・ニューヨーク生まれの伝説的なフォークシンガー、ピート・シーガーが残したアルバム『Pete』に収められた一曲。
この『The Water is Wide(広い河の岸辺)』という曲は、作者不詳の民謡として知られ、その起源はスコットランドにあると伝えられています。
その後、イギリスからアメリカに移住した移民によってアメリカに伝えられ、フォーク・リヴァイヴァリストとしてウディ・ガスリーと共に数々の民謡を収集していた、ピート・シーガーの手によって現代のフォークソングとして新たな命を吹き込まれ、多くのアメリカ人に知られてゆくことになりました。
ピート・シーガーは生前、あくまで自分自身はフォークソングを歌うシンガーの一人であって、真のフォーク・シンガーは民衆であると語っていました。
彼が奏でるギターに合わせ、多くの人々が主役となり合唱するこの曲は、まさにそんな彼の哲学を表現している一曲とも言えるかもしれません。
多くの人々が共に歌うことで、はじめて顕れる音楽の美しさ。
この曲は、かつて当たり前のように暮らしの中に音楽があり、誰もが歌い手であった、そんな古の人々の暮らしを思い起こさせてくれる一曲です。
歌い継がれる民謡の中に確かに息づく、かつての人々の暮らしに想いを馳せながら、耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
ハーバード大学中退後に本格的な音楽活動を始め、黒人差別への抗議や反戦などの政治的な抗議メッセージを込めたプロテスト・フォークの旗手として注目を集める。
またアメリカ各地に残された民謡を収集するためアメリカ全土を放浪するなど、フォーク・リヴァイヴァリストとしての一面を持つ。
アメリカの現代フォークを代表する伝説的なフォークシンガーとして語り継がれ、フォークの神様とも称される音楽家ボブ・ディランにも多大な影響を与えた。
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