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2022.8.27

特集:彼方の詩集
こどもについて On Children

想いを繋ぐということ

    

人から人に伝えてゆくこと、教えてゆくこと。
そうした機会に出会う度に、その行為の難しさに、頭を悩まされます。
余すことなく伝えることが常に正しいわけでもなく、その時々によってふさわしい伝え方があり、それぞれの適切なバランスがある。
そして、その関係性が近ければ、近いほど、その難しさは深まってゆくような気がします。

今回、「彼方の詩集」というテーマでご紹介する「詩」は、そんな「伝えること」、「教えること」に向き合う時に、ひとつの手掛かりとなる詩だと考えています。

この詩は、遡るほど約100年ほど前。
レバノンに生まれ、欧米を中心に活躍した詩人、ハリール・ジブラーンによって紡がれました。
翻訳は、その生涯をハンセン病患者と寄り添ってゆくことに捧げた、精神科医・神谷美恵子氏によるものです。

今回ご紹介する詩だけでなく、数多くの素晴らしい詩をその生涯で紡いだハリール・ジブラーン。
また折りを見て、その他の作品もご紹介させて頂きたいと思います。
ぜひお読み頂けますと幸いです。

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「こどもについて」

作者 : ハリール・ジブラーン

赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。
どうぞ子どもたちの話をしてください。
それで彼は言った。

あなたがたの子どもたちは
あなたがたのものではない。
彼らはいのちそのものの
あこがれの息子や娘である。

彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども
あなたがたから生じたものではない、
彼らはあなたがたと共にあるけれども
あなたがたの所有物ではない。

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、
あなたがたの考えを与えることはできない、
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。

あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが
彼らの魂を宿すことはできない、
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、
あなたがたはその家を夢にさえ訪れられないから。

あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが、
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。
なぜなら生命はうしろへ退くことはなく
いつまでも昨日のところに
うろうろ ぐずぐず してはいないのだ。

あなたがたは弓のようなもの、
その弓からあなたがたの子どもたちは
生きた矢のように射られて、前へ放たれる。

射る者は永遠の道の上に的をみさだめて
力いっぱいあなたがたの身をしなわせ
その矢が速く遠くとび行くように力をつくす。

射る者の手によって
身をしなわせられるのをよろこびなさい。
射る者はとび行く矢を愛するののと同じように
じっとしている弓をも愛しているのだから。

ハリール・ジブラーン

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Reference :

  • 「ハリール・ジブラーンの詩」
    神谷美恵子:
    角川文庫
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